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 その1・おもしろい考え方  壱の巻 女性はイメージでできている






 その1・おもしろい考え方
 壱の巻 女性はイメージでできている



(この小説は、10年以上前に書いたものなので、時代錯誤があるでせふ)


 
 プロローグ

 
 ニューヨークは、川と湾の街である。世界屈指の広大な大地を誇る国にもかかわらず、日本を上回る島国のような一角に、ついこの間建設された都市である。もちろん、土地の人々は、島国のようだなどとは誰も自覚してはいないが。
 その都市の、日本人の感覚からすると、侘びしく惨めともいえる夏が南に去り、替わって、北極からの使者の前触れのミニチュアともいえる秋の気配が、わずかずつとはいえ増しつつある時節となった。
もっとも、そこの住人たちは、『秋こぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる』の世界からは程遠い人々ではあるが。
 そして、マンハッタンは、国連ビルを抱え、摩天楼が天をつく、ある意味で、世界の中心のひとつともいえる地区である。
その鼻の先に、リバティー島がある。いわずと知れた自由の女神の居住地である。彼女は、アメリカ独立のシンボルであり、犬猿の仲イギリスからのアメリカの独立を誰よりも渇望したフランスから移住させられたのである(よって、フランス人の自由は乏しくなったのである)。
 そのフランスが現在、超大国アメリカを疎ましく思い、逆にイギリスはアメリカを頼りにしているというアイロニーは、歴史の造化の神の傑作のひとつであるといえるのかもしれない。その新たな事態のシンボルも自由の女神像にちがいない。
 そのマンハッタン、5番街、パストリアホテル、最上階、スカイヴューレストランに、若き日本人ふたりが集い、奇想天外な会話を楽しんでいようとは誰が知っているだろうか(誰も知らない)。
 かれらに言わせれば、このニューヨークの描写には、正と反の関係、正と反の転化入れ替わり、そして質時間回帰がはいっている、ということになるにちがいない。


    一
 
 「……それで、マリ,自由といえば、このところ、自由主義諸国といえども、自由がかなり窮屈になってきているのは、どうしてだか知ってるかい?」
 と、春沢建太郎がグラス片手に言った。
 「さあ、なぜかしら? ちっとも見当がつかないわ」
 と、朝比奈マリが心持ち首をかしげるしぐさをした。
 「それはね、世界中の自由の女神たちが、あの女神像の中に閉じ込められてしまっているからさ。だから、彼女たちは活動できない」
 と言って、建太郎は窓越しにリバティー島の方を指差した。
 「あははは。そんなマジな顔して言うから、論拠があるのかと思っちゃったじゃない」
 と、マリは表情に大輪の花を咲かせて、その方角を見る。
 「あっはっは。またひっかかったぜ、マリ。
 ……それで、論拠のあるやつは、あとで話してあげよう」
 と、にやにやしながら、建太郎も視線を夜のパノラマに向ける。
 「その論拠、楽しみにしてるわ」と、マリは受けて、
 「……自由の女神ねぇ。……それにしてもすてきな夜景ね、色とりどりの宝石の雫が、ちりばめられているようだわ。
 あれはニューヨーク港ね。この景色、文明以前の電気のなかった時代の人たちが見たら、なんて言うかしら? 見せてあげたいわ」
 と、マリは陶酔したような麗しい声で言う。
 「そりゃ、こう言うかもしれない。夜空の星ぼしがたくさん引っ越ししてきて、あんな近くにある、ってね」
 と、建太郎が深みのある声で優しく言った。
 「うふふ、そうよ、近ごろの星は、引っ越しが好きなのよ、ってね」と、マリ。
 「あはは。昔の星には、転勤がなかったんだろうねって」と、建太郎。
 「あはは、そういえば、文明活動の結果、昔に比べて、空の星たちは見えにくくなっていることだし、星の引越しっていうのも、ジョーク・クイズの正解のひとつね」
 と、マリがいきいきした表情で言う。
 「ふーむ。文明活動の結果見えにくくなってるとは、更にうまいところに気づいたね。
 それは、文明が進むことのうちにも、いい面と悪い面があるってことを象徴しているともいえるね」
 と、建太郎がおとなっぽく言った。
 マリと建太郎は、昼に開かれたマリの誕生パーティーの後ここに集い、二人だけで、いわば、人生課題研究を楽しんでいるところである。
 マリも建太郎もアメリカの大学に在学中である。ふたりとも哲学専攻で、現在、卒論の課題と内容を見つけ深めようとしている。おたがいに、卒論ができあがるまでは、相手に自分の卒論のことは教えない、できあがってから教える、と約束している。
 そこで、相手の卒論の課題や内容や構成を探りながら、自分のそれを深めるという、いわば、対話ゲームを二人して行なっているところである。
ふたりとも演劇サークルに所属しており、芝居がかったことをするのが好きである。ふたりで、漫才のようにやりあうこともよくある。
レストランは満員で、世界中から集ったような客たちが、まわりを気にせず、味覚と談笑の世界に没頭している。
 その窓際のニューヨーク港を展望するのにうってつけの位置に、建太郎とマリはテーブルをとっている。
 「マリ、君と話してると、よく感じるんだけど、君はアメリカ生活がけっこう長いにもかかわらず、個人主義にさほど染まってなくていい感じだね。サービス精神も旺盛だし。今だって、昔の人たちに、この景色を見せてあげたいなんて言ったし、万事その調子だよね」
 と、建太郎が優しい眼差しで言った。
 「ありがと、ケン、今の、誉め言葉だと受けとっていいのかしら?」
 と、マリが心持ち小首をかしげるように訊いた。
 「もちろんさ。おおいなる誉め言葉さ」と、断じ、
 「それで、アメリカ人の特性とか個人主義なんかについてのエピソードとして、こんなのがあるよ」と、建太郎は言う。
 「どんなのかしら?」と、マリが興味深そうな顔をした。
 「この間、ジミーの兄夫婦のディナーに呼ばれて、ごちそうになったんだ」
 「あー、ジミーって、哲学科の同級生でしょ」
 「そう。それで、その席で、何人かいたこどもたちが、スープを食べるというか飲む時に、『レッツ、プレイ、ジャパニーズ』つまり、日本人ごっこをしよう、と言って、ズー、ズー音をたてながらスープをすすったんだ」
 と、建太郎はおかしそうに言った。
「あはは。そんなことするこどもたち、いるわね」
 と、マリも顔がほころんだ。
 「うん。そこで、ぼくは言ってやったんだ。
 『スープの語源は、何なのか、君たち知ってるかい?』。彼らは『ノー』と言ったよ。
 そこで、ぼくは『これ、どんな音がするかい?』と言って、スープを日本式にすすってみせたんだ。
 彼らは、『フーム』とか言って、首を傾げていたよ。
 そこで、ぼくが、『“スープ”って音がするだろう?』と訊いたら、彼らは、『オウ、イェス』とうなずいたよ。ていねいに吸えば、実際そんな音がするんだ。
 そこで、ぼくが、『この音が、英語のスープの語源のはずだと、ぼくは思う。だから、昔の人たちは、音をたてて、スープをすすってたはずだよ』と言うと、彼ら、大爆笑さ。

 




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09/24のツイートまとめ

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大宇宙ファンタジア☆世界樹☆その70






大宇宙ファンタジア☆世界樹☆その70




・・・さて、ここから、「本小説の結論に至る筋とその結論」に複数の選択肢がある、というメンド草草なことになっている・・・

 その1・・ハッピーエンド・・めでたしメデタシ・・

 その2・・ …しかし、どんな手違いがあったのか誰にもわからないままに、またもや大宇宙は極限大爆発を起こした。
 …そしてこの物語の冒頭に戻るのであった…
 ・・・なんたる悲惨-悲愴・・・

 その3・・平行世界s登場・・平行世界sにおいて、さまざまモロモロが実現する・・

 その4・・上の3つが混じり合って、ワケワカメな世界になる・・

 その5・・この物語は次に続く、という状態が永遠に続く・・

 その6・・この物語は永遠に続く、という状態となって、この物語は永遠に連なる・・


 ・・さて、どれにするか、サイコロを振って決めようか? ・・

 ・・いやいや、サイコロなんかに任せるワケにはいかない・・

 ・・・さて、その結論は、・・・・・・

 




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09/23のツイートまとめ

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大宇宙ファンタジア☆世界樹☆その69






大宇宙ファンタジア☆世界樹☆その69




いわゆる神と呼ばれる知性体たちのところにまではやってこない、来れない。って書いてあるよ。ふーん、ややこしいんだね」と、その妖精。
 「だけどね、知性体の方から、彼らを見つけて、コンタクトすることはできるんだよ、理屈ではね」
 と、そのフェアリー。
 「ふーん、そうなの」
 と、その妖精。
 「でもね、あんたのついてるカリストさんたちにとっても、彼らを見つけ、コンタクトするのは至難のわざなんだよ。だから、あんたたちの調査は進展しなかったんだよ」と、そのフェアリー。
 「そうだったの」と、その妖精。
 「うん。だからね、今回の宇宙で、それを知っている者で、カリストさんたちの前に現れたのは、せいぜい、ゼリカ・ノードスと彼を取り巻いていたフェアリーたち、それと覗き見していた妖精たち、だけなんだよ。それも、その謎を知られないようにってことでね」と、そのフェアリー。
 「そうかあ。だから、調査がむつかしかったんだね」と、その妖精。
 「うん。でも、今回は、ゼリカは、やってることを止めてほしいと思っているんだよ。自分ではどうしても止められないって。だから、吟遊詩人を派遣するっていうようなことしたんだよ。だれか気づいて止めてほしいって」と、そのフェアリー。
 「なるほどねえ。でもなんで自分で止められないのかなあ」と、その妖精。
 「賭け事と同じだって、ゼリカ言ってたよ」と、そのフェアリー。
 「で、建太郎さんたちに、あの大爆発のイメージを与えたの、だれなの? あんた、知ってる? 」と、その妖精。
 「それを与えたのは、あたしのお友だちなんだ」とフェアリーは言って、
 「その子、今回はやめさせよう、と思ってそうしたんだよ…

 …でも、理論どおり、というより、予想を超えて、大宇宙は壊滅したんだ」

 …そのフェアリーは、日記よりもっと詳しい記録・ゼリカの、をコピーできる、と言った…

 …それらによると、その、さらに詳しいゼリカの日記によると、
 前回の宇宙でも、今回の宇宙の生命の樹・世界樹、深海海峰、漂える時空の森、と同じものを彼らはつくった。全宇宙においてたったひとつずつ。今回のそれも、全宇宙でたったひとつずつ。
 その惑星を回る月を、ある時、惑星にぐーんと近づけた。
 月が惑星に近づいたことに加えて、日食が起こったことにより、月と天体たちの配列が、不思議なエネルギーや重力などについてのレンズ的なものとしての働きを増した。その結果、その深海海峰が宇宙的規模でかなり広範囲の、それらエネルギーを吸い込んでしまった。そして、生命の樹・世界樹はそれを吐き出した。
 すると、宇宙空間のある範囲に、そのエネルギーについての歪みととんでもない振動が発生した。
 その振動と歪みは、まるでドミノでコマがだんだん大きくなっていくやつのように、そして、巨大な雪だるまが転がっていって、とんでもない大きさになるように、全宇宙に広がっていき、宇宙のはてにまで達した。時空の森を通して、すべての過去にも未来にも、すべての地域にも。
 拡声器のスピーカーに、マイクを近づけると、ハウリングといってものすごい音に拡大されるように。
 その振動は、その果てから引き返し、今度は、出所に向かって走り始めた。
 出所に達すると反転して、また宇宙の果てに向かって走り出した。
 それが際限もなく繰り返された。
 それが繰り返されるうちに、その振動数が、大宇宙の固有振動数に達した。
 そのとたん、エネルギーの歪みが極限に達し、大宇宙は極限爆発を起こし崩壊した。
 まるで、大宇宙の空間と時間と物質にひび割れが無数にはいっていって、ガラガラと音をたてて崩れ去るかのような感じで。ハウリングが極限にまで至れば、拡声器が壊れてしまうのと同じように…
 
 「そうか、そうだったのか」と、その妖精。
 「ってことはことは、自然現象ではなかったってことだ」と、別な妖精。
 「そういうことだよ」と、そのフェアリーは言って、
 「それをゼリカが指導したグループがやったんだよ」
 「今回の宇宙で、また似たようなグループが、この地球に発生した」と、別なフェアリー。
 「そのグループが、また似たようなことをやろうとしている」と、別なフェアリー。
 「月をこんな近くにまで落としたあのグループだ」と、そのフェアリー。
 「今度も、またゼリカが指導している。ゼリカは中毒状態で、止めたいけど自分では止められない」と、別なフェアリー。
 「なんてやろうたちだ」と別な妖精。
 「絶対にそんなことはさせないぞ」と、別な妖精。
 「今回の宇宙では、そんなことはさせないぞ」と、別な妖精。

 …以上を見聞きしていた知性体カリストは、そのグループの本部に、エネルギーを使いにくくするエネルギーを最大に送り込んで、彼らやそういった装置に関するすべてを凍りつかせてしまった。

 知性体カリストは、地球を、土星のように星屑で包み込んでしまった。そうすると、その現象は非常に起こりにくいことになる。
 さらに、知性体カリストは木星の位置を少しずらした、すると、確実にその現象は起こらないことになる。

 …ペンは、建太郎たちと連絡をとり、そのグループたちを抑えにかかった。

 







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プロフィール

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Author:世界人
考えることが好きな、なんでも研究・思索家です。
ブログエントリーの文章・内容のすべては、わたくすのオリジナルです。
(慣用的・常識的なものは除く。イラストなどイメージも除く。引用的なものはそうわかるように記しています。世界情勢や将来の予想などは100パーセント参考になりませぬ)。
それら著作権はすべてわたくすに帰属します。
わたくすのネット上のハンドルネームは、世界人、春楽天、nhkjp、地球人、じゃする。仮に同じハンドルネームの方がおられたとしても、書いている内容や文体で識別できまする(こういう文体は、過去には、あるいは他では、ほとんどありませぬが)。
ここは自由な雰囲気が濃厚なので開設しますた。春楽天のブログも引越しツールでいれますたが、それらは以前書き殴った古いものだし、いわんや推敲なぞゼロでなんの役にもたたないような内容だらけで、読み返すと加筆訂正したいところも多くあることでせふ。いずれも、ジョークやユーモア以外は、例によって「そう考えてみただけであって断定はせぬ。正しいかどうか知らぬ」ものがほとんどじゃする。いや、全部でせふ。ジョークやユーモアですらそうでせふ(笑)。
時間がないので、訪問者の方々のお相手をすることができないと思いまする。あしからずご了承を。

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